日本の祭りレポート
せんごくはらすわじんじゃれいたいさい(ゆだてししまい)
右に左に箱根駅伝の景色が車窓を走ります。宮ノ下を経て国道138号線をさらに北上すれば仙石原諏訪神社。これは獅子が「湯立て」をするという珍しい「行」です。獅子舞は精進潔斎をした男性が獅子頭をかぶって行うもので、姿は擬人化された獅子。舞は宮舞・平舞・剣の舞・行の舞・宮めぐりの舞・釜めくりの舞・四方固めの舞の7種です。所作は獅子に神が乗り移ったかのごとく、奉納芸能の域を超えた神事の真剣さが伝わってくるもの。
石段の下に石碑がありました。「(前文略)我々は、益々敬神の念を培い、郷土の発展に苦難の努力をされた先人の遺徳に感謝すると共に、永遠の平和を祈念し貴重な湯立神楽を永く後世に伝えることを希い、この碑を建立するものである」。並々ならぬ誇りと決意を感じる文言です。
取材・文:苦田秀雄
湯立獅子舞は、およそ2時間におよぶ勇壮な舞で、宮舞、平舞、剣の舞、行の舞、宮めぐりの舞、釜めぐりの舞、四方固めの舞という七舞で構成されています。また、2022年に国重要無形民俗文化財に指定され、保存会の人たちの伝統を守る熱意と厳しい精進潔斎によって昔ながらに郷土の民俗遺産として継承されています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り