日本の祭りレポート

吉田の火祭り

よしだのひまつり

吉田の火祭り1
DATA
8月26日~27日
山梨県富士吉田市 北口本宮富士浅間神社・諏訪神社
0555-22-1111富士吉田市役所
富士急行電鉄大月線「富士吉田」駅下車
※取材時2006年の情報です。変更になる場合もございますので、お出かけの際には事前にご確認ください。

富士は神。堂々と下界を見おろす

富士山は山岳信仰に起源をもつ日本を代表する霊山です。祭りの日、北口本宮富士浅間神社で「発輿祭」があり、真榊台、太鼓、神輿、冨士御影の列で御神幸が出発。富士御影は朱色に塗られた富士山型の神輿で、しばしば激しく地面に放り投げられます。それは荒ぶる神霊を鎮めるまじない。旧御師(おし)街の沿道には巨大な結松明(ゆいたいまつ)が一直線に並べられ、合図とともに一斉に点火。街中が火の海といった印象です。富士の稜線にも点々と炎が見えます。火の列は天に向かって真っ直ぐ。その先にあるのが霊峰富士。夜のため全容をみせないその山は、無言の威圧感をもって里人を見下ろしています。それは文句なく圧倒的な神です。

【取材・文:苦田秀雄】

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