日本の祭りレポート
よねかわのみずかぶり
これは火伏せの行事で、近辺には多くの火防祭があります。祭りの日の朝、五日町地区の男たちが「水かぶり宿」菅原家に集まり、麦わらで注連縄を作ります。彼らは裸になり、それを肩と腰に巻きつけ、「あたま」と「わっか」を頭にかぶり、わらじを履きます。さらに火の神様の印であるかまどのすすを顔に塗りつけてできあがり。23人の男たちは町に繰り出して道路わきに置かれた手桶の水を各家に撒きます。その作業中、彼らのわら衣は見物人によってどんどんはがされてゆき、しまいにはふんどし一枚に。このわらを持ち帰って家の屋根に置けば火伏せになるといいます。
【取材・文:苦田秀雄】
国指定重要無形民俗文化財の米川の水かぶりは、古くから伝わる火伏せ行事です。初午の日に顔にかまどの煤を塗り独特の藁装束を身に纏った神様の使いが、家々に水を掛けながら町中を走り抜け祈願します。人々は水かぶりの男達から装束の藁を抜き取り、我が家の屋根に上げて火伏せのお守りにします。