日本の祭りレポート
よなばるおおつなひき
沖縄の綱引きの表記は「引」と「挽」「曳」があり、前者は「厄鬼の駆除」で、後者のふたつは「勇力を争う」ことを意味します。「与那原大綱曳」は沖縄で最も古い綱引のひとつで歴史は440年。交差点で東と西の双方が太鼓・鉦・ほら貝を鳴らしながら覇気を高め、若い女性たちが激しく踊ります。若者たちは綱をかついで会場の御殿山青少年広場へ。綱の上には琉球古典衣装を着た阿麻和利(あまわり)などの英雄が。ほら貝と鉦鼓(そーぐ)が鳴らされ、“さー”のかけ声で大綱が担ぎあげられ、東西の綱が寄せあわされ、それと同時に大綱が地面にどうっと落とされ、英雄たちは大綱から転げ落ち、担ぎ棒が引き抜かれ、激しく勇壮な綱引が始まります。“はー いや”のかけ声がまさに沖縄。
【取材・文:苦田秀雄】
440年余の伝統を持つ与那原大綱曳。長さ約90メートル、重量5トンの大綱の上に琉装の支度を乗せて練り歩く様子は竜神を思わせます。雄綱と雌綱がカナチ棒により繋がれた瞬間に綱引きがスタートするのが他の大綱曳にはない醍醐味です。そして、決着後は互いの健闘をたたえ合い、和気あいあいと酒を酌み交わします。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り