日本の祭りレポート

山北の棒踊り

やまきたのぼうおどり

山北の棒踊り1
DATA
11月18日 ※毎年同日
高知県香南市香我美町山北 浅上王子宮 
0887-54-2296(香南市文化財センター)
JR土讃線「高知」駅から路線バス  高知自動車道「南国」IC
※取材時2014年の情報です。変更になる場合もございますので、お出かけの際には事前にご確認ください。

人を育てる棒術は山北のタカラ

いまから300年ほど前、領主の山内規重(のりしげ)は蟄居を命じられます。そこで家臣が暇つぶしに始めたのがこの棒術。それは後に坂本竜馬が体得した小栗流です。
神社の境内に繰り広げられる棒術の若者らは白い鉢巻きに白い装束、ブルーのタスキが秋の光を浴びて爽やか。樫の棒を打ちあうその音はカツカツと乾いた音を響かせ、“サイ! サイ!”の掛け声もキビキビと勇ましい。さらに奉納は獅子と猿田彦のかけあいに。この組み合わせは極めて珍しいもの。この棒術に新しい若者が加われば、古参のものから順に脱退するきまりとか。直会の席で祭り人が言いました。“祭りは大人を子どもにし、子どもを大人にする契機です”と。この棒術がいまに至るまで伝承されているのはいかに領主が領民に敬愛されていたかを物語るもの。

【取材・文:苦田秀雄】

概要

山北の棒踊りは約300年前、山内家一門が10年間に渡り幽閉されていた際、退屈を紛らわすために家臣らが地域の若者たちを集めて棒術を指導し、披露したことが始まりとされています。現在では、20人で行う本棒と二人一組で対峙する小棒で構成され、郷社浅上王子宮の秋季大祭にて、青年たちによって奉納されています。

※出典:ダイドーグループ日本の祭り

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