日本の祭りレポート
やまぐちぎおんまつり
この街は佇まいからして「大内のお殿様」の善政がよき風土を育んだことを感じる風情。八坂神社で「浦安の舞」が奉納され、「鷺舞(さぎまい)」が始まります。それは室町時代の応仁の乱以前から京都八坂神社の「祇園祭」の山鉾巡行で舞われてきたもので、山口へは京都から八坂神社を勧請したときに伝わりました。さらに、有名な島根県の津和野の「鷺舞」はここ山口から伝播。境内の隅に置かれていた神輿は勇ましい男たちによって2キロ先の御旅所に向けて神幸を始めました。ときおり神輿は総大将の“走れ”の掛け声で疾走し、グルグル回り、それはもう勇壮。山車には子どもたちが乗り、囃子を奏でます。音色は本家京都を連想。
【取材・文:苦田秀雄】
約600年前、室町時代に守護大名・大内氏が京都から勧請した八坂神社の例祭。京都から伝わった当時のままの演舞を地元住民が代々守り伝えてきた「鷺の舞」に始まり、三基の神輿と祇園囃子を奏でる山車は駅前通りを練り歩きます。“西の京・山口”に夏の訪れを告げる祭りは、一週間続きます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り