日本の祭りレポート
やまがとうろうまつり
日本武尊(やまとたける)の父とされる第12代景行天皇は隼人征伐に西下。道中、一行は山鹿に入り、霧に行く手を阻まれました。里人は松明(たいまつ)を掲げて道を照らし、天皇ご一行を案内したとか。それから1300年ほどを経た室町時代、その逸話をもとに「山鹿灯籠まつり」が始まりました。それは山鹿市内各町の精緻を凝らした灯籠を大宮神社に奉納するもの。そして「千人灯籠踊り」。それは戦後町の活性化を図るため、踊りの藤間富士斎師匠考案によるもの。闇の中に1000の灯籠が渦をまきます。まさに巨大な光の蚊取り線香。お囃子も、唄いも、三味線も、太鼓もすべてが女性。「ヨヘホ節」が流れます。“山鹿灯籠は夜明かしまつり ヨヘホ ヨヘホ 町は灯(ひ)の海~”。詞を整えたのは野口雨情。
取材・文:苦田秀雄
熊本の夏を代表する祭り。呼び物の「千人灯籠踊り」では、金灯籠を頭につけた浴衣姿の女性たちが、民謡「よへほ節」に合わせて優雅な伝統の踊りを披露します。灯籠はすべて紙製で、熟練の技を持つ灯籠師が作ります。祭りは町内各地に飾られた奉納灯籠を男衆が神輿に載せて、神社に担ぎ込む「上がり灯籠」で締めくくられます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り