日本の祭りレポート
やちどんがまつり
かつてこの祭りは舞楽の笛と太鼓の音を表した「オヒャラドンガの祭り」と呼ばれていました。「オヒャラ」が笛の音で、「ドンガ」が太鼓です。
祭りの見どころは境内の石舞台で行われる林家舞楽(はやしけぶがく)です。これは大坂四天王寺の楽人だった林氏がおよそ1200年前に谷地に持ちかえり、一子相伝で継承。舞は大陸の所作や衣裳をよく残すものとして、極めて貴重。それは日本が異文化との交流を活発化する以前に林家が拠点を陸奥に移したため、古式がそのままここに残ったのです。舞は燕歩(えんぶ)、三台(さんだい)、散手(さんじゅ)、太平楽(たいへいらく)、安摩(あま)、二の舞、還城楽(げんじょうらく)、抜頭(ばとう)、陵王(りょうおう)、最後に納曽利(なそり)で終わります。それは観るものを古代の世界に誘います。
【取材・文:苦田秀雄】
400年の伝統を誇る谷地八幡宮の祭礼です。奉奏される林家舞楽(はやしけぶがく)は、神職を務める林家が一子相伝で伝承しています。神輿行列も見ごたえがあり、先頭は神奴行列、後ろには囃子屋台が従います。最終日には町内3地区30組の高張・弓張提灯、12台の提灯屋台も繰り出し、全国奴まつり、囃子屋台の競演で締めくくります。