日本の祭りレポート
うしぶかはいやまつり
牛深に伝わる「ハイヤ節」の「ハイヤ」は、南風を「ハエ」といい、それが訛ったものとされます。牛深はむかし船運の中継基地として栄えた港。そこで船乗りたちをもてなすために女性たちが踊ったのが「牛深ハイヤ」。それは「佐渡おけさ」や「阿波おどり」など全国各地にとり入れられ、日本民謡の基盤となるのです。踊り方は自由奔放で、いかにも素朴なもの。船乗りたちが円座を組み、大漁を願って酒を飲みつつ身振り手振りで自由に踊っていたといいます。今それをみることができるのは早水・古川社中、光彩会、えびす会などの正調ハイヤで、往時の所作を残すものとして貴重。
【取材・文:苦田秀雄】
昔、海運の中継基地として栄えた牛深。風待ち・シケ待ちの船乗りたちをもてなすのに歌われ始めたのが牛深ハイヤ節。全国に広がるハイヤの流れをくむ民謡は、牛深を経由した船により伝わったとされています。商店街などを「ハイヤ総踊り」の行列が練り歩く、熊本の活気ある代表的な祭り。一般参加も「飛び入り丸」として一緒に踊ることができます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り