日本の祭りレポート
うごくたなばたまつり
陸前高田市の高田町内には12の祭り組があり、8地区が津波で壊滅。12台あった山車も9台が津波にもっていかれました。でも彼らにとって祭りは生きる証。
高田町の中心部「まちなか広場」は飲食店などもある復興の起点。そこを中心に光る七夕が動きます。さあ動かそう、気持ちを前に、心をひとつに。“よいやさ、よーいよい”の掛け声が皆の心をひとつにします。山車にともるは鎮霊の灯り。大震災で天国に往った高田の人たちがそれを眺めおろしているのです。その霊に届けとばかりに若者らは太鼓を乱打。世間の記憶は風化してゆきます。高田のみんな、いまがほんとのふんばりどころ。
【取材・文:苦田秀雄】
旧暦の七夕に開催される、古くからこの地に伝わる夏の恒例行事。
各地区から華麗な山車が威勢のいいお囃子にあわせて町を練り歩きます。日没後は飾りも変わって灯が燈り、幻想的な七夕山車が華やかさを競います。震災を乗り越えた地域の情熱が、変わり行く町並みに明るい灯りを燈します。