日本の祭りレポート
うばがみだいじんぐうとぎょさい
ここははるか日本海の沖合に奥尻島を望む北の大地の港町。13基の山車が武者人形、文楽人形、歌舞伎人形などを配して港町を練ります。山車は北陸地方のものに、囃子は京都の「祇園祭」にそっくり。京都の文化が北陸経由で伝わったのです。
夜、山車は姥神大神宮に勢ぞろい。それは煌々と輝き、若者らは笛と太鼓と鐘の乱れ打ち。松明の火で清められた道を3基の神輿が姥神大神宮に「宿入之儀(やどいれのぎ)」を行います。祭りの終わり、人々は新地町の交差点に集結。羽織袴の代表頭取が円陣の中央に進み出ておもむろに歌います。“大島小島の間とる船は ヤンサのエー 江差(えさし)通いか なつかしや”(以下略)これはニシンの豊漁を祈る祭り。ニシンよ、江差の海に戻っておくれ。
【取材・文:苦田秀雄】