日本の祭りレポート

津野山神楽

つのやまかぐら

津野山神楽1
DATA
10月30日~11月23日まで町内各所の神社祭礼で開催
高知県高岡郡梼原町(三嶋神社10月30日)
0889-65-1350(梼原町教育委員会生涯学習課)
須崎駅から路線バスで1時間10分
※取材時2008年の情報です。変更になる場合もございますので、お出かけの際には事前にご確認ください。

雲の上の日常

高知県梼原は標高1000メートルほどの高知県と愛媛県境の町。キャッチフレーズは「雲の上の日常」。坂本龍馬たちが愛媛に抜け、船で長崎を目指した「脱藩の道」です。
「津野山神楽」は町内各所の神社の秋祭りで開催されるもの。由来は延喜13年(913)藤原経高がこの地にもちこんだとされます。演目は「宮入り」から「四天の舞」までの18座。所要時間8時間。四国カルスト高原を初秋の風が吹きます。厳しい環境での豊作への感謝の気持はことさら大きいものがあり、テンポのいいリズムに荘厳な舞。喜びが全身にあふれます。若い母親に抱かれた幼児は怖いもの見たさ。人々の演者への掛け声は煮詰まった人間関係を感じさせます。この神楽は彼らの日常のひとコマなのでしょう。

【取材・文:苦田秀雄】

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