日本の祭りレポート
つきのわしんじ
ここは神話の故郷出雲。「出雲風土記」に天武天皇3年(674)、安来郷の語臣猪麻呂(かたりのおみいまろ)の姫が鮫に食われて亡くなったことが記述されています。その後、この地方に多くの災いが振りかかり、それは姫の祟りではないかということで、霊を慰めるためにこの祭りが始まったということ。
“えんや えんや でご でっとーやー”の掛け声で小学生たちが山車を曳きます。それは“みんなみんな、出てきて手伝えよ”ということ。夜、町内を巡行した4基の山車が大市場交差点に集合して一斉に囃す「神事四重連」が見もの。楽器は「鼕(どう)」とよばれる大太鼓と小太鼓、笛、鉦。太鼓の叩き方がなんともカッコいいのです。
【取材・文:苦田秀雄】
「出雲国風土記」に記述される「毘売崎伝承」。一匹の大ワニ(鮫)により、命を亡くした娘の霊を慰めるため、鉾にワニを刺し4日間踊り続けたとされ、刺したワニが月の輪に見えたことが月の輪神事の起源とされています。1300年を経て今も神事は鉾の山車を先頭に、華麗な行列で笛や太鼓の演奏をしながら街を練り歩きます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り