日本の祭りレポート
とおやまのしもつきまつり
ここは山深い南信州遠山郷。一茶さんの「信州信濃の山奥のそのまた奥の一軒家。スズメとお話ししてたのじゃ」という童謡を連想する14戸の集落。この遠山郷をはじめ、9つの神社が12月上旬の2週間霜月祭りを行います。起源は平安後期か鎌倉時代とされます。
はじめに「湯立神事」です。全国から八百万の神々をお迎えして神聖な湯をさしあげて力を回復していただくもの。氏子もそれを飲んで新しい年への力とします。次は「面(おもて)の行事」。氏子たちが神の面をつけて舞い踊ります。まず天狗の面をつけた水の王が登場し、火の王、諏訪神社の御祭神である建御名方命(たけみなかたのみこと)、近くの神社の神々が舞い踊り、最後は猿の面。猿舞を披露。それは災いが去る(サル)とうにということ。
【取材・文:苦田秀雄】
毎年12月、飯田市上村および南信濃の9つの神社で奉納される湯立て神事。発祥は、平安時代から鎌倉時代にかけてといわれています。釜の上に神座が飾られ、湯を煮えたぎらせて神に捧げます。クライマックスには、天狗などの面が登場し湯を素手ではねかけます。禊ぎの湯によって一年の邪悪を払い、新しい魂をもらって新年を迎えます。(国指定 重要無形民俗文化財) 重要無形民俗文化財)