日本の祭りレポート
とぅばらーまたいかい
「トゥバラマ」とは、女性が愛しい男性を意味する言葉で、男性は女性を「カヌシャマ」とよびます。沖縄は民謡の宝庫で、「とぅばらーま」をはじめ「鳩間節」「芭蕉布」「安里屋ユンタ」など、その多くは琉球の心や自然を唄ったもの。「とぅばらーま」は男女の恋唄として知られていますが、もともとは労働歌でした。いま人々は大会として月明かりの芝生に寝そべって鑑賞。“愛しや乙女子ぬ むめやらば 歌ばしいきばり きぃんだら”、“思うてぃ通やらば 千里ん また戻らば 元ぬ千里”など、言葉はなかなか理解できなくても、これはなぜか懐かしさを感じる唄。それはウチナーンチュ(沖縄の人)の深くやるせない想いを語る即興詩。心にしみます。
【取材・文:苦田秀雄】