日本の祭りレポート
てっぽうずいなりじんじゃ ごちんざせんひゃくはちじゅうにねんれいたいさい
“江戸湊に鐵砲洲あり”とされたところに鎮座するこの神社は東京ではかなりの古社で、創建は平安初期。そのため、祭りの名前が2022年度は「御鎮座1182年例大祭」、その翌年は「1183年例大祭」と毎年変るのが特徴。場所はあの銀座。東京のど真ん中です。昨今大都会の人間関係が希薄になってゆくなか、この祭りは住民の絆を確認する大切な行事でもあるのです。祭りは神輿の渡御と歌舞伎の奉納がメイン。神輿の「宮元大神輿」は町神輿としては日本最大級であり品格あるもの。5月5日の「新富座子供歌舞伎」はさすが歌舞伎座を擁する土地柄、プロ顔負けの演技をみせます。大都会のビルの谷間に咲く江戸の祭り。いなせです。
取材・文:苦田秀雄
平安時代の841年、凶作が続く中で住民が創建した鐵砲洲稲荷神社。江戸時代から埋め立てが進み、明治元年には現在の地に遷座しました。氏子地域には歌舞伎座も含まれます。本社神輿の渡御がある本祭は三年に一度執り行われます。江戸下町の神社では先陣を切って神輿が出ます。また、毎年、こども歌舞伎が奉納されるのが他社にない特徴です。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り