日本の祭りレポート
おがのまちいいだのてっぽうまつり
古式の衣装に身をつつんだ射手が参道に隊列を組み、先端に紙垂のついた長尺の火縄銃や猟銃を一斉に発砲。それが「お立ち」の合図であり、銃火自体が奉納物という珍しい祭りです。その合図で高張提灯先導の鳥毛組と御徒士組の30名が石段を駆けあがって時計回りに社殿を3周。次の発砲では御神馬が走りだし、同じく社殿を3周。続いてもう1頭。それが「お立ち神事」です。さらに夕暮れせまる午後4時、播磨神輿が出御。赤平川上流の八幡淵に向けての神幸です。そこは小鹿野に播磨(兵庫県)から八幡神が鎮座された場所。ゆえに神輿を担ぐことができるのは播磨一党のみ。参道わきの屋台では歌舞伎が。演目は「菅原伝授手習鑑・吉田社頭車引之場」。手作り感が心を温めてくれます。
【取材・文:苦田秀雄】
12月第2日曜日とその前日に行われる八幡神社例大祭は、五穀豊穣、豊猟祈願を祝う、別名「鉄砲まつり」。参道から銃火の轟音を合図に、2頭の神馬がそれぞれ社殿までの石段を駆け登る「お立ち」の神事。さらに、歴史ある大名行列、笠鉾・屋台の曳き廻し、地元の有志による歌舞伎上演などが行われ、勇壮に、賑やかに秩父路の祭暦を締めくくります。