日本の祭りレポート
てんづしのまい
この祭りは9体の天津神が諏訪神社に御幸して神遊舞奉納の神事をするもの。桜吹雪のなか、小瀬の田園地帯をご神像が進みます。等身大より少し小さいサイズのそれは一の御編木(おささら)様、二の御編木様、一の御太鼓(おたいこ)様、二の御太鼓様、御鼓(おづつみ)様、御笛(おふえ)様で笠をかぶり麻の着物。御鹿島(おかしま)様は引立烏帽子をかぶり、左右の手に小刀をもちます。御姫(おひめ)様は頭に瑶珞(ようらく)をかぶり、右手に扇子を、鬼(おに)様は仏子(ほっす)を。諏訪神社に着いた神々は白幕、注連縄、ヒバ、榊で囲われた「御船囲(おふねい)」に入り、「天津司舞」を披露。神様の風雅な舞は突然激しくなります。「お狂い」です。まさに神様の錯乱。突然桜吹雪も激しくなり、観客は神々の世界に。
【取材・文:苦田秀雄】
我が国最古の人形芝居で、神事芸能としても高い評価を得ています。神像を現した等身大の1人遣いの人形から、3人遣いの人形まで計9体による古式豊かな舞で、天津司神社から諏訪神社までの田園の道を行進する原初的祭りの風情が趣深く、神社では御船という幕囲いの中で神秘的な舞が奉納されます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り