日本の祭りレポート
くきちょうちんまつり「てんのうさま」
この祭りは天明3年(1783)の浅間山の噴火で産物の桑などが大被害を被り、豊穣を祈願するために始まりました。久喜に来てまず耳にするのがお囃子でした。それは他に類をみないテンポの良さ、小気味いいもの。地元ではこれを「馬鹿囃子」と「けんか囃子」と呼びます。各町の山車の屋根にはスサノオノミコトや神武天皇、日本武尊、神功皇后などが配せられています。それが昼の山車。夜、その姿は一変し、人形が取り外され、およそ500個の提灯が飾られます。山車の台座がぐるぐる回ります。12日午後7時半、久喜駅前に全ての山車が集合。そして、一行は整然と隊列を組んで市内を巡行。ときどき提灯が燃えます。男も女もみんなかっこいい。飲酒ご法度の祭り。運営は隅々まで規律が正しく爽やか。
【取材・文:苦田秀雄】
久喜提燈祭り「天王様」は、約230年の歴史がある祭りです。祭りは曜日に関係なく7月12~18日に行われ、山車が曳き出されるのは7月12日と18日です。昼は人形や彫刻などの飾り付けをした人形山車として、夜は約500個の提灯を付けた提燈山車として組み替えられ、一台の山車が二つの姿を見せてくれます。