日本の祭りレポート
たろたろまつり
これは「船持ち」と「田打ち」で構成され、前者は豊漁、後者は豊作を予祝する祭り。あわせて数えで5歳になった男児を祝う行事も。
祭りは「船持ち」から始まりました。神社から舟唄にあわせて紋付羽織の男性たちが数珠つなぎになって8センチばかりの模型船を境内に持ちだします。「御船降ろし」です。境内は海に見立てられ、船はそこを航海。次は豊作を願う「田打ち」です。蓑カッパ姿の農民親子が登場。父親は「テチョ」と呼ばれ、息子が「太郎」。ふたりの掛けあいが観客を笑わせます。それは何を喋っているのかさっぱり理解できない田植劇。祭りが終わって5歳児の家に近隣住民が集まって延々大宴会。こうして幼児は地域の一員になるのです。
【取材・文:苦田秀雄】
豊漁・航海安全と五穀豊穣を同時に願う、海と山に囲まれた羽島ならではの行事。数え年5歳の男児が模型船を手に境内を練り歩く船持ち(ふなもち)と、牛・テチョ・太郎の三役が即興演技を披露する田打ちからなります。祭りのあとには参加した子どもの家庭では祝宴が開かれます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り