日本の祭りレポート
たかはまはちまんじんじゃしゅうきたいさい
神事が終わり、神輿は「お下り」を始めます。神社では正午過ぎから「33番奉納相撲」。幼児から小学生までの勝負です。“じいちゃん、ばあちゃんが見とるばってん、がんばらんとね”。司会のユーモアあふれる紹介が場内を笑わせ、次は「相撲踊り」。相撲甚句が朗々と唄われます。輪になった力士たちが“あ~どすこい どすこい”と声をあわせます。そして「幼児の土俵入り」。これは1歳未満の赤ちゃんを土俵に寝かせ、赤ちゃんが泣きだせば健やかに育つというまじない。さらに「奉納相撲」、「一般割相撲」があり、小中学生の勝ち抜き戦となります。最後は大人の「割相撲(残り三役)」が。これはもう本格相撲。五穀豊穣、家内安全を願う奉納神事であるためいつまでも伝承されるでしょう。
【取材・文:苦田秀雄】
高浜町で100年以上続く秋祭りの見所は、五穀豊穣や家内安全を願い奉納する相撲踊りです。祭りでは力士役の男衆が土俵で甚句に合わせて舞を披露します。江戸後期にこの地から大相撲にのぼった力士が故郷に「相撲甚句」と「相撲踊り」を伝えたと言われ、今も受け継がれています。小学生によるシャギリや相撲宿という風習が継承され、町は相撲一色となります。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り