日本の祭りレポート
たばやまむらぎおんまつりささらししまい
この祭りは江戸時代に沢井村(現東京都青梅市)の福島新左ヱ門が丹波山村の名主(なぬし)の守岡家に婿入りした際に伝えたもの。まず祭りは飛龍山の頂上にある飛龍権現への奉納「幣がかり」から。獅子舞は一人立獅子3体で、その四隅で4人の花笠がササラの演奏。獅子舞一行は次の舞台へ。10時、川上神社での奉納は「笹がかり」。次は大六天神社での「竿がかり」。獅子が青竹を跳びます。獅子の走高跳です。子(ね)の神社での奉納は「花がかり」。最後の熊野神社での奉納は人気の演目「白刃の舞」。それは体をくねらせ、よじり、せり上がり、白刃のふたりが獅子を切りつける45分、渾身の演技。ここには幸せな若者が幸せな生活を営んでいました。
【取材・文:苦田秀雄】
江戸時代から約300年の歴史を誇る獅子舞。獅子と「ささら」と呼ばれる楽器を手にした花笠、白刃が、お囃子に合わせて村内を練り歩き、各地区の神社で舞を奉納します。舞には物語があり、三頭の獅子が激しく舞う場面は見どころのひとつです。文化財保存会の若者が中心となり途絶えていた演目を復活させるなど伝統を継承しています。