日本の祭りレポート
しゅりじょうさい
「首里城祭」は琉球国王の任命・即位式である「冊封(さっぽう)儀式」の再現です。それは中国皇帝が近隣諸国に使者を遣わしてその国の王を任命することで、およそ2000年前の漢の時代に誕生した中国の施略。祭りの日、先ず首里城で琉球王・王妃の出御式があり、「琉球王朝時代絵巻」が那覇市内を練ります。音楽「路次楽*(るじがく)」が奏でられ、冊封行列の先頭には「牌(ぱい)」という立て札をもった人たちが進みます。先ず「牌」には道をよけることを要求する「静粛・廻避」が立ち、「虎旗」「人物旗」「龍旗」「雲旗」「龍条旗」が続きます。行列の最後は琉球伝統芸能行列。悲しいかな首里城は2019年10月31日の火災で焼失。それは大戦復興のシンボルだっただけに人々の落胆は想像を絶します。
【取材・文:苦田秀雄】