日本の祭りレポート
しょうがわそうちんご「べんざいてん」さんじゅうさんねんしきねん・ごかいひたいさい
岐阜県にはじまり、飛騨の山々から滑り落ちる幾筋もの水系が大河・庄川となってひらかれた砺波平野。庄川は古称を雄神川といい、「雄神の庄(倉の建ち並ぶところ)」転じて庄川となったといわれる豊穣の川です。訪れて目にしたその川は穏やかな表情でしたが、同時に一旦暴れ川となったら手のつけられない有様になるだろうと容易に察せられる“怖さ”もたたえていました。その昔、河原の社地が洪水の際にも流されず忽然と水神様が現われたことから、以降33年に一度、河原の元雄神神社(現弁財天社)にご神体を運びお祀りするこの祭り。庄川と暮らす人びとが世代を越えて、川への畏敬と謝恩を都度、胸にあらたにするためのものなのでしょう。わたしもご神体を拝ませていただきました。
[取材・文:加藤正明]
庄川の大洪水の際、この社地のみ流されず、そこに水神様が忽然と出現され、お祀りしたのが始まりとされます。33年毎に行われる「御開扉大祭」には、周辺の集落から神様をはじめ多種多様の仮装をした人々が行列をなして神社を訪れ、 身振り手振りでユーモアたっぷりに練り歩き、供物を奉納し、獅子舞が演じられます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り