日本の祭りレポート
すかがわのたいまつあかし
文安元年、鎌倉から二階堂為氏が須賀川に下向し、須賀川二階堂氏の初代当主となりました。その後、戦国の馴れあい政治を変革しようと割り込んできたのが伊達政宗。ときの須賀川城主は伊達政宗の伯母にあたる大乗院。彼女に正宗は何度も使者を遣わし、己の配下になるよう説得。彼女はそれを無視。結果、二階堂家臣や町民は城主のために死を決議。ここに須賀川二階堂は伊達を前に滅亡。
この祭りはその二階堂の無念を永遠に留めようとする末裔の想いがこもったもの。五老山に燃えさかる巨大松明群の炎は二階堂武士たちの無念の叫び。それは420年を経たいまに至っても色あせることはないのです。まさに滅びの美学といえましょう。
400余年の伝統を誇る「須賀川の松明あかし」は、毎年11月の第二土曜日に開催されています。当日は長さ10m、重さ3tもの大松明を威勢のいい若衆150人が担ぎ出し、町を練り歩きます。そして夕闇がせまるころ、五老山に建てられた大松明、姫松明、約30本もの本松明に次々と点火され、晩秋の夜空を焦がします。