日本の祭りレポート
すいむじんじゃれいたいさいみこしまくり
掛け声は「惣助と幸助」の意味。平安時代の戦乱で、岐阜県高山市にある水無(みなし)神社に火が放たれます。そこで木曽福島から出稼ぎに来ていた惣助と幸助という者が神様を助けようと、御神体を神輿に載せて80キロの道のりを故郷の木曽福島にお連れしました。その途中、彼らは谷底に転げ落ち、「惣助」「幸助」と互いの名前を呼びあってお互いを励ましあったとか。神輿は檜と松で毎年新調されます。これを思いっきり地面に放り投げるのです。それが「みこしまくり」で、それが神輿が山を転がり落ちたという故事の再現。ですが、あまりにも危険。怪我をすれば、日頃の精進が悪いとひやかされます。
【取材・文:苦田秀雄】
毎年7月22~23日に行われる木曽町福島、水無神社の例大祭。毎年地元の山より伐り出した赤松材(樹齢70~100年)にて新調した約百貫(約400キロ)にもなる神輿を、地面に投げ落とし横に縦にと転がし、バラバラに壊すまで続けられる「みこしまくり」が特徴的です。木曽福島が誇る天下の奇祭として知られています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り