日本の祭りレポート
しらいしおどり
この踊りは源平の時代、寿永2年(1183)の源平の水島合戦の死者を弔うために始まったといいます。踊りは「男踊」「女踊」「奴踊」など13種あり、浜辺で輪になって踊ります。それは、いまそこに死者の霊が舞い降りているのではないかと思わせる景色。その所作は楽しむための踊りではなく、死者を弔うものなのです。これが盆踊りの本来の姿であることを見せつけられます。現在でも新仏(にいぼとけ)ができると島民は精魂こめて踊り、祈ります。新仏は成仏していないため、その荒々しい霊が生者に災いをもたらさないようにと。盆踊りは仏教行事のひとつで、平安時代に空也上人の念仏踊りが盂蘭盆(うらぼん)と習合したもの。「白石踊」は元祖盆踊。これは現代に生きる文化の化石といえましょう。
【取材・文:苦田秀雄】
岡山県の小さな島「白石島」では、独自の盆踊りが継承されています。ひとつの音頭と太鼓に合わせて、男踊り、女踊りなどいくつもの踊りが輪をなし調和するという優美な踊りです。源平水島合戦で戦死した人々の霊を慰めるために始まったと伝えられており、国の重要無形民俗文化財に指定されています。 ※平成24年度は7月第2土曜日に鑑賞体験ツアーが催されます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り