日本の祭りレポート
しまだあめまつり
言い伝えがあります。ある日、吉岡八幡神社の神主さんが村を歩いているとき高島田髪の美しい花嫁を目にします。彼はひと眼で恋患いに。恋の病は悪化するばかり。ついに床に伏してしまうことに。このことを知った氏子さんたちが作ったのが島田の髪型をした飴でした。それによって神主さんの病は回復。その日を記念して始まったのがこの祭りということで、いまは良縁成就の祭りとして定着しています。
旧奥州街道大和町の吉岡商店街を「花嫁道仲行列」がゆっくり、ゆっくり進みます。黒の法被に鉢巻き姿の若者が拍子木をカッチ、カッチと行列を先導。烏帽子の武者たちが躍ります。太鼓に笛、鉦のお囃子も軽やかに、花嫁はあくまでも凛と進みます。このたおやかな空気、それは吉岡の人々の400年続く真心、そして良縁を祈る人たちの純な心の伝承なのです。
取材・文:苦田秀雄
吉岡八幡神社境内で行われる縁結びの祭り。その歴史は400年以上あるといわれています。祭りではこの日だけしか買えない縁結びの飴、文欽高島田をかたどった飴細工「島田飴」を求め、例年良縁を願う参拝者で賑わいます。見どころは花嫁道中行列。艶やかな花嫁が古い宿場町をゆっくりと練り歩きます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り