日本の祭りレポート
せんだいおおつなひき
この綱引は関が原の戦いに向かう兵士を薩摩藩主が鼓舞するために始めたもの。これは後に青少年を育成する薩摩の「郷中(ごじゅう)教育」の一環になりました。チームは川内川を挟んで上組と下組に分かれます。それぞれ三役は「総大将」「一番太鼓」「押大将」で、地元の若者が一生に一度と憧れる大役。「総大将」は作戦の立案や指揮など全体を統括。「一番太鼓」は太鼓を叩いて引き手を指示する役。「押大将」は「押し隊」という部隊に指示を出します。綱は長さ365メートル、重さ7トン、引き手3500人。ここは戦場。激しい怒号と指令が。人間の塊は圧力で上へ上へと盛り上がってゆくのです。彼らはそれを「龍が立つ」といいます。
【取材・文:苦田秀雄】
長さ約365メートル、重さ約7トン、直径約40センチ、その一戦の為に作られた日本一の大綱。商売繁盛と五穀豊穣を祈念し約3500人の男達が激突します。関ヶ原の戦いで島津軍の士気を高めようと始まったとされ、400年以上の歴史を持ちます。相手の引き手を妨害する「押し隊」が綱中央で激しくぶつかるのが最大の特徴です。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り