日本の祭りレポート
せなみたいさい
午前4時、祭りを告げる先太鼓が西奈彌(せなみ)神社を出発。それは濱町を出発して地域を一巡。夕方、家々は御簾(みす)をおろし、親族、友人集まって語らい、祭り料理を楽しむ様子が透けてみえます。盆唄が聞こえます。“どんと どんとと やーいー 鳴るは瀬波のお滝さまだえー よーとこなー”。行ってみれば「おしゃぎり」とよばれる屋台が5基。着物に白いたすき掛け、鉢巻き姿の子どもらが太鼓と鉦で囃します。「おしゃぎり」が港町を練ります。それはゆらゆら、ゆったり、のたり、のたりの海を感じさせるや、一気に濱町の坂道を疾走し、瀬に打ち寄せる荒波のごとく。いや、人生の波か。これが瀬波の「木遣り神事」です。
【取材・文:苦田秀雄】
神社の祭神である保食神が敦賀から海路を辿り瀬波の地に上陸したことを祝って行われる西奈彌神社の例祭。5台ある「おしゃぎり」と呼ばれる屋台が一日中かけ町内を練り歩き、夜若い衆の熱気が最高潮に達すると瀬波浜町の坂に整列して木遣り唄を唄った後、鉦太鼓を打ち鳴らしながら屋台が一気に坂を駆け上がります。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り