日本の祭りレポート
りゅうせいまつり
龍勢とは手作りロケットで、櫓(やぐら)から轟音を挙げて天空に飛び立つさまが龍の昇天に似ていることからつけられた名前です。それは“と~ざい、と~ざい、ここにかけおく龍の次第は~”といった口上(こうじょう)に奉納者の言葉が続き、15分間隔で合計30本が打ち上げられます。筒の長さは15~18メートル、重さ30~40キロ、火薬の重さ5キロ、それが天空300メートルまで飛ぶのです。完璧に飛び、煙が龍の形を描き、落下傘や唐笠などの「背負いもの」が開いてゆっくり舞いながら落下。誰もがそのような美しい結果を待っています。でも、すべてがそうはゆきません。龍勢師にとっては屈辱。成功して感涙、失敗して涙。それが人生。
【取材・文:苦田秀雄】
毎年10月第二日曜日に椋神社(むくじんじゃ)の例大祭が行われ、その付祭として「龍勢」が奉納されます。龍勢煙火は火薬筒を青竹に縛り付けたもので、これを櫓にかけて点火すると、ロケットのごとく上空に舞い上がります。轟音を立てて舞い上がる様が昇天する龍の姿に似ていることから「龍勢」の名が生まれたといわれています。