日本の祭りレポート
ちゅうごくぼん ぽーるらんぼんしょうえ
長崎には350人もの華僑が暮らしています。その最大の行事が「中国盆」。これは正式には「普度蘭盆勝会」といい、福建省出身の華僑たちが崇福寺に集まってお盆の行事をするもの。そこには3000食もの料理が用意され、宗派を問わず有縁無縁の霊まで全ての霊をなぐさめる施餓鬼供養(せがきくよう)が行われます。その根底にあるのは、あの世もこの世も同じだということ。そのため寺には精霊たちが買い物をする商店街やスポーツ施設、劇場、風呂、休憩場までもが用意。さらにあの世でお金に困らないようにと「金山銀山(きんざんぎんざん)」というお金まであるのです。祭りの日、ここにこの世とあの世が同居します。
【取材・文:苦田秀雄】