日本の祭りレポート
おうじじんじゃふなまつり
ここは映画「世界の中心で愛を叫ぶ」のロケ地です。海を見下ろす高台の、そのロケ地のそばに皇子神社はあります。だんじりが神社を出て急な石段を降りてきます。屈強な若者がゆっくりと時間をかけて運びます。その中で童が太鼓を打ち鳴らします。対岸では花火が打ち上げられ、海面が花火に染まります。屋根を取り払っただんじりは激しく暴れ、猛烈な勢いでぐるぐる回され、縦にされ、存分のパフォーマンスを展開。童はそれでも平然と太鼓を打つのです。その光景は危険を通り越してむしろ感動的。岸壁の屋台船の上では獅子舞が演じられ、だんじり船、獅子船、神輿船が連なり、ゆっくりと2キロ先のお旅所に向け、月明かりの海上を進みます。それはゆったりした江戸の時間。祭りの緩急を感じます。
【取材・文:苦田秀雄】
満月の夜に行われる全国的にも珍しい江戸時代から続く“海の祭り”。16人の御神輿担に担がれた御神輿が船に積まれ、対岸2kmのお旅所まで「船渡御」を行い、また、3隻横に繋いで作られた舞台の上では獅子舞が奉納されます。庵治沖には、約1300発の色とりどりの花火も上がり、真夏の祭典を演出します。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り