日本の祭りレポート
はぎのわせんだいきょうそう おしくらごう
古式和船競漕「おしくらごう」の本部になっている「青年宿」は、この地区に古くからある自治組織の集会所です。まだ学校のなかった時代、青年たちはここで先輩たちから船の操り方や漁業者としての日常の行いについても厳しく教わってきました。「おしくらごう」の誕生は江戸時代とされ、名前の由来は「押しくらべ」という説があります。その起源は背後が日本海であるため、陸側から敵に攻められると逃げ場がなく、非常時のために毛利水軍の早船訓練として誕生したとみられます。舟は橋本川をアメンボウのように走ります。若者たちの真剣な顔と、鍛え抜かれた裸体に日本男児の強さをみます。萩の漁師に毛利水軍の誇りは生きていました。
【取材・文:苦田秀雄】