日本の祭りレポート
おおつちまつり
2011年3月11日、東日本大震災の巨大津波は大槌の街を飲みこみ、多くの町民が還らぬ人となりました。それから10年、加えてコロナウイルスです。大震災では「密」が、コロナでは「疎」が必要とされました。それでも彼らは歩みを止めません。祭りが心を元気にし、人とのふれあいを作るのです。
祭りは小鎚川での神輿の勇壮な水垢離(みずごり)、大槌城山虎舞や鹿子舞をはじめとする郷土芸能の数々、神輿の町内渡御と曳船、山車で打ち鳴らされる粋のいい太鼓、居並ぶ露店で賑わいます。大震災にめげることなく、必死に郷土の祭りを継承する人々を応援しましょう。
【取材・文:苦田秀雄】
被災地大槌町に伝わる大槌稲荷神社と小鎚神社の例大祭を総称した祭り。
各日、それぞれの神社の神輿渡御が行われ、巡行には郷土芸能団体も加わり、町内を練り歩きます。クライマックスは小鎚神社の神輿二基が川に入る水垢離(みずごり)。神輿の魂振りの動きに呼応し、大小の幟や虎舞の虎も集まり、熱狂に包まれます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り