日本の祭りレポート

大串のささらばやし

おおくしのささらばやし

大串のささらばやし1
大串のささらばやし2
大串のささらばやし3
大串のささらばやし4
大串のささらばやし5
DATA
11月23日 ※毎年同日
茨城県水戸市大串町 大串稲荷神社
0292-69-2732(大串稲荷神社)
JR常磐線「水戸」駅下車
※取材時2017年の情報です。変更になる場合もございますので、お出かけの際には事前にご確認ください。

これは野に咲く名もなき花

この祭りの「ささらばやし」は獅子舞のことで、「底なし屋台のなかで演じる3体の棒ささら」を指します。「棒ささら」とは棒に獅子頭をつけて舞うもので、いまでは大串だけに残るとされる奉納芸能。
朝、大串稲荷神社では例祭と「ささらばやし」が同時に進行。底なし屋台のなかの3人が棒の先につけた獅子頭を操ります。笛と太鼓の音が鎮守の杜に流れます。獅子は正面からみて左が父親、真ん中が子供、右が母親という設定。ストーリーは、両親とはぐれて悲しむ子獅子がふたたび両親にめぐりあって喜ぶというシンプルなもの。笛と太鼓でそれを表現する繊細さこそ地域の呼吸。これは家族を愛することの大切さを教える芸能でもあるのです。

【取材・文:苦田秀雄】

概要

四方に幕などを張り巡らした底なし屋台の中で、お囃子に合わせて三体の獅子が舞を演じます。獅子は獅子頭を棒の先につけて操る「棒ささら」で、親子の愛情表現を描くのが特色。元禄14年に始まったといわれます。水戸・石岡地区に集中し、他県には見られない民俗芸能。(国選択無形民俗文化財・県指定無形民俗文化財)

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