日本の祭りレポート
おおいそのさぎちょう
「大磯の左義長」のいわれは厄病神や一つ目小僧などが12月8日に現れ、村人の1年間のおこないを帳面につけて帰ります。その帳面を道祖神に預けて帰り、小正月のとんどでそれを燃やしてしまうのです。そうすれば厄病神などが1月14日に戻ってきても帳面がないため厄病神が来ることがなくなり、疫病にかからなくてすむという民間信仰。また12月8日には地域の子供らが“○○さんにいいお嫁さんがきますように”などの願いごとを唱えながら玄関先で石をつく「一番息子」。最後はソリに仮宮を載せてフンドシ姿の男たちが海に引きいれて陸側と海側に引きあう「ヤンナゴッコ」。大都会近くの希少な習俗は必見。
【取材・文:苦田秀雄】
大磯の左義長は、小正月に行われる「道祖神の火祭り」のことで国の重要無形民俗文化財に指定されています。海岸に松や竹、正月飾りなどを使って円錐型の「サイト」というワラの塔を作ることが特徴。当日はサイトに火を入れ一年の無病息災を祈ります。また裸の男衆がセイノカミサンの仮宮を引き合うヤンナゴッコという珍しい行事も行われます。