日本の祭りレポート
おおえはちまんぐうのおふねしんじ
この祭りは江戸中期に相良湊の廻船問屋によって始められたとされ、その様子は「遠江古蹟図絵」にも描かれています。それは相良藩主の田沼意次がお国入りしたときに廻船問屋が精巧な船の模型をつくって寄進し、その船を練って入城したのがきっかけでした。神輿を先導するのは3艘の御船で、それは樽廻船、菱垣廻船と中学生の御船で本物そっくりにつくられている精緻なもの。縮尺は10分の1。御船は神幸中ときどき練り唄にあわせて、荒波を乗り越えるように前後に激しく揺らされ、一気に数10メートル走ったり、お旅所の神事でもまた激しく揺さぶられます。3艘の動きを一体化させるのが彼らの腕のみせどころ。
【取材・文:苦田秀雄】
海上安全を願い、毎年秋に行われている特殊神事。船若(ふなわか)と呼ばれる青年達が長さ2メートル程の菱垣廻船(ひがきかいせん)と樽廻船(たるかいせん)、二隻の船の模型を担ぎ、「御船唄」にあわせて街中を元気よく練り歩きます。船首と船尾を交互に持ち上げ、荒波を航海する様子を威勢よく表しています。