日本の祭りレポート
おみゆきさん かいのくにいちのみやあさまじんじゃれいたいさいおおみゆきまつり かいのくにいちのみやあさまじんじゃれいたいさいおおみゆきまつり
祭りは正式には「甲斐国一宮浅間神社例大祭大神幸祭」といい、その「大神幸(おおみゆき)」が「おみゆきさん」となったもの。それは木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)に水防を祈るため、浅間神社の祭神が二宮美和神社、三宮玉諸神社の神とともに釜無川端の三社神社に神幸するもの。その距離およそ25キロ。神輿を担ぐ男たちは女装で化粧をし、奇妙な見栄え。これは木花開耶姫命が女性であるため、嫉妬しないようにと男性が女装する習わしになっているとか。かけ声は“そっこだいとー そっこだいとー”。神幸が遠距離のため「目的地はそこだ」ということか。それぞれの神輿が神社に集まり、皆が一列になって「水神」と書かれた小石を釜無川に向かって投げます。その堤防こそあの「信玄堤」なのです。
【取材・文:苦田秀雄】
「おみゆきさん」は825年頃、甲府盆地を襲った大水害後に始まった、水防祈願が起源とされています。祭神が女性の神様の木花開耶姫命であることから、神輿の担ぎ手は長襦袢に花笠を被り白粉を塗った女装スタイル。「ソコダイ、ソコダイ」の掛け声とともに神輿を担ぎます。甲府盆地に春を呼ぶ祭りとして親しまれています。