日本の祭りレポート
くれはちまんぐうたいさい おみこくさん
これは五穀豊穣を感謝し、新米を久礼八幡宮にささげ、その米でつくった一夜酒を奉納する神事です。祭りの最終日の深夜0時、地区の男たちが長さ6メートル、重さ1トンもの燃え盛る大松明を担いで街を練ります。それに従うのが「けんか太鼓」軍団。それは“どん、どん、どん”の3拍子で進み、他の太鼓と激しいぶつけあいをみせます。御神穀の一行が社殿に入り、大松明が駆け込みます。大松明がお祓いをうけ、いったん社殿から外に走り出て川の水汲みをし、神前に水を奉納。そこで大松明はお役御免となり、境内に投げだされるのです。人々はその燃えカスを家に持ち帰り神棚に飾り、豊漁、家内平安を祈ります。
久礼はマンガ「土佐の一本釣り」で有名な高知の港町。海の男のにおいプンプンの荒祭りです。
【取材・文:苦田秀雄】
重さ約1tの大松明を担いだ男衆が町内を練り歩く。太鼓と太鼓がぶつかり合う「けんか太鼓」。八幡宮の社殿に運び込まれ神事を終えた大松明(おおたいまつ)は、再び境内に出され一年間の無病息災を願う老若男女によって持ち帰られます。この漁師町らしい勇壮な祭りは秋の豊作に感謝する「御神穀(おみこく)さん」の名称で親しまれる戦国時代から続く伝統行事です。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り