日本の祭りレポート
たかはまおまんとまつり
「おまんと」とは「馬の塔」で、神馬の背中に立てられた御幣のこと。この祭りは雨乞いのため、神にその飾り馬を奉納するもの。早朝「竜宮祭」が行われ、「おまんと」を背負った神馬が春日神社へと向かいます。「駆け馬」の始まりです。円形の馬場を馬は猛烈な勢いで走ります。まるでルーレット。それが目の前を過ぎる瞬間、風がブワ!と頬をたたくのです。馬体は斜めに傾き、たてがみは後ろにまっすぐ風になびき、鼻の穴をめいっぱいふくらませ、目はカッと大きく見ひらき、青年たちがつぎつぎとそれに飛びつく(とまる)のです。駆け馬が終われば彼らは“今日はこれまで、明日もよろしく!”と元気に挨拶をかわし、伊勢音頭を唄いながら帰ってゆきました。
【取材・文:苦田秀雄】
約200年以上の歴史を誇る「高浜おまんと祭り」。早朝より高浜の田戸地区から春日地区まではっぴ姿に地下足袋姿の若者が約2キロの道のりを1000人ほどの大行列を作り街中を神馬を先頭に行進します。春日神社に到着すると丸太で組まれた馬場の中を、疾走する馬に飛びつき駆け抜けていく勇壮な祭りです。