日本の祭りレポート
おくまかぶとまつり
この祭りは中島地区19の神社の神霊が年に一度久麻加夫都阿良比加志比古(くまかぶとあらひかしひこ)神社の古代朝鮮の渡来人格神に参拝するもの。それぞれの地区は神社に参拝したあと、加茂原のお旅所に向かい、祭りのクライマックス「島田くずし」を披露。それは、かつて大きく張り出したサイカチの木を枠旗がくぐる際、倒した旗が祭りを見物していた集落の娘の頭に当り、島田髷(まげ)をくずしたことに由来するとか。昔は「島田くずし」が上手にできない集落には嫁をやらないと言われていたほど。旗は地面すれすれまで倒されます。これは男が男らしさをアピールする祭り。女はその男らしさに魅かれます。曼珠沙華(まんじゅしゃげ)ごしにその風情を眺めれば、独特な趣が。
【取材・文:苦田秀雄】
大陸の渡来神を祀る久麻加夫都阿良加志比古神社(くまかぶとあらかしひこじんじゃ)の大祭で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。天狗面をつけた猿田彦が、鉦(かね)・太鼓に合わせて踊りながら祭りを先導し、屈強の若い衆が20メートルもある真紅の枠旗(わくばた)を担ぎます。お旅所では枠旗を地上すれすれまで傾ける「島田くずし」と呼ばれる大技も披露されます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り