日本の祭りレポート
おほしまつり
これは阿蘇山の麓の12の集落を年1回、リレー式に神様が旅をするという祭り。それぞれの集落には神様がいないため、神様をあずかる当番の集落がお仮屋を建ててお祀りするのです。
集落の境界の畑でその受け渡しがありました。渡す側が何度も神輿を放り投げるのです。その音はドスン ドスンからしだいにグワシャと。宮司が“もうやめてくれ”と絶叫。ぼろぼろに壊れた神輿がやっと相手にひき渡されました。修理費は引き渡す側が負担するならわし。それは50万円だったり、100万円近くなったり、大変なこと。荒っぽく扱って神様をもっと喜ばせたい、修理費が高くつく。ビミョーな気持ちが交錯します。
【取材・文:苦田秀雄】
お法使祭の神様は、いつも仮住まい。津森神宮周辺の12の地区を一年ごとに、神輿に揺られ旅から旅を繰り返します。変わっているのはそれだけではありません。地区の人たちは神輿を落としたり、転がしたり手荒い扱い。一年間地域を守ってくださった荒神様への感謝の気持ちと名残惜しさを込めた儀式なのです。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り