日本の祭りレポート
のざきまいり
「のざきまいり」はすべてのものに感謝の読経を奉げる行事。この祭りは元祖地域おこしといえるもの。お染・久松を主題にした人形浄瑠璃「新版歌祭文」、近松門左衛門の「女殺油地獄」や、桂春團治の落語「野崎まいり」、東海林太郎の歌「野崎小唄」など幾多の文学作品に取り入れて観光客の来訪を図ったもの。たとえば「新版歌祭文」は油屋の娘お染と、奉公人で野崎村出身の久松の身分違いの恋のはなし。結末は悲しい二人の心中。慈眼寺のすぐ脇にひっそりと立つ「お染・久松の塚」があわれを誘います。そして春團治の「野崎まいり」。これは「振り売り喧嘩」といい、寝屋川を舟でお詣りする人と、土手を歩く人が口喧嘩をし、勝った方に福がくるとされるもの。
【取材・文:苦田秀雄】
元禄時代から続く無縁経法要です。JR野崎駅から野崎観音まで参道の両側に200軒以上並ぶ露店は今なお圧巻。東海林太郎が「野崎参りは屋形船でまいろ」と歌った野崎小唄やお染久松の物語でも知られます。高台の慈眼寺からは大阪平野が見渡せ、美しい夕陽も望めます。最終日には厳かな法要も。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り