日本の祭りレポート
のみのしおばかり
これは小正月の行事で、竜神に海上安全を祈るために始められたと伝えられます。「しおばかり」は「潮計」と書かれ、海中に立てる七夕のような破竹のこと。
長さ15メートルばかりの破竹に子どもたちが願いごとを書いた5色の短冊をとりつけます。祭り当日の夜10時、若者たちは木遣唄で囃し、ドンドンと悪霊鎮めの地搗(じつ)きをしながら「潮計」を運び、海の足元杭に差し込むのです。南国高知といえども2月、寒さに疲れた若者に古老の激しい叱咤激励がとびます。「潮計」は1週間から10日前後で倒れるといいます。これが沖側に倒れれば豊漁、陸側なら豊作ということ。かつてこういった風習は沿岸各地にみられましたが、いまでは希少。海中に立てられた「潮計」に神の佇まいをみるのです。
【取材・文:苦田秀雄】
海の神様の竜神に無病息災と豊漁を願って行われる、高知県の無形民俗文化財の祭り。「潮ばかり」とは、高さ15mほどの破竹(淡竹/はちく)の先端に、5色の短冊を飾りつけたもので、海中に立てられた潮ばかりが沖の方に向かって倒れるとその年は豊漁、岸の方に向かって倒れたら豊作になると言い伝えられています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り