日本の祭りレポート
におりゅうまつり
香川県の仁尾は寛政11年大干ばつ見舞われました。そこで愛媛の山中から水をもらい雨乞い行者の和蔵(わぞう)さんに祈祷してもらったところ雨が降ったとか。この祭りはそれをキッカケに誕生したといいます。
祭りはまず「仁尾竜翔太鼓」から。それは雨をよぶ雷の音。竜は市民センターの広場からくねくねと道路に出てきました。そこで突然の水あびせ。修験者の法螺貝が鳴らされると“それ雨じゃ、 それあぶせ”の掛け声で竜が持ちあげられて行進。全員声をそろえて“いや世のなか見事にせー”。沿道に並べられたバケツの水10トンが容赦なくあびせられます。長さ35メートル、重さ5トンの竜はだんだん重さを増し、250人の担ぎ手の顔もゆがみます。
【取材・文:苦田秀雄】
古くから干ばつに悩まされ続けてきた香川県仁尾町。この地に、恵みの雨をもたらすよう願う祭りです。毎年8月、藁で作った長さ約35メートル、重さ約3トンの巨大な竜を、200人を超える人々が担ぎ、水を浴びせます。地域の住民は祭りのために数か月前から竜を作り始めます。一度は途絶えた祭りが、地域の伝統民俗行事を継承しようという人々の願いから復活しました。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り