日本の祭りレポート
さわじんじゃのにんぎょうさんばそう
そもそも「三番叟」とは「翁」「父尉(ちちのじょう)」「三番猿楽」の3つの演目のことであり、「叟」は「翁(おきな)」を意味します。「佐波神社の人形三番叟」は天下泰平・五穀豊穣を祝う儀式曲で、「千歳(せんざい)」「翁」「三番(さんば)」の3体の人形が踊り、さらに「かけあい」という問答があり、最後に「鈴の舞」で終わるもの。初日は夜7時から「日の入り三番」が、翌日は朝8時から「日の出三番」が奉納されます。舞の所作は全く同じで舞台背景の襖絵が変わるだけ。日の入りは入日と松竹梅、富士山の絵で、日の出は日の出若松と鶴です。下方(したかた)とよばれる演奏者は太鼓・小太鼓・小鼓・笛・謡で構成され、演奏法を幼いころから地域の先輩に教わって育つといいます。
【取材・文:苦田秀雄】