日本の祭りレポート
おがのなまはげ
ナマハゲは大晦日の夜山からやってくる鬼のような風体をした神様。その呼称は地方によってまちまちで、青森県西津軽郡ではナゴメタクレ、愛媛県宇和島はアマグラコサギなどがあります。「ナマ」や「アマ」は「ナモミ(生身)」のことで、「火に長くあたっていて腕や足にでる火斑」。つまり囲炉裏から離れない怠惰な生活を送るとできるもので、それをはがしに来るのがナマハゲなのです。そのとき子どもたちは恐怖に泣き叫び、あるいは固まったり、来年はいい子でいようと心に誓います。ナマハゲたちは“うおー、うおー”と威勢がいい割にはときに礼儀正しく、老人には“長生きしろよ”などとといたって優しく、家主は料理やお酒をふるまいながらこの1年の暮らしぶりを話したりもするのです。
【取材・文:苦田秀雄】
大晦日の晩、「泣く子はいねがー、親の言うごと聞がね子はいねがー」などと叫びながら家々を回る男鹿のナマハゲ。
地域の人々にとって、ナマハゲは怠け心を戒め、無病息災などをもたらす来訪神です。後継者不足などで近年は実施する地区が減っていましたが、ユネスコ無形文化遺産登録を機に復活の動きも見せています。(国指定 重要無形民俗文化財)
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