日本の祭りレポート
ながさきくんち
この祭りの起源は長崎奉行・榊原飛騨守の肝いりで遊女の高尾と音羽がお諏訪さまの神前に謡曲・小舞を奉納したのが始まりとされています。出しものは大きく分けて踊り・曳物・担ぎ物・通り物があり、踊りは本朝踊り・阿蘭陀漫才などで、曳き物は龍船・川船・御座船、阿蘭陀船・鯨曳きなどがあります。担ぎ物は太鼓山・龍踊・鯱(しゃち)太鼓などで、単に担ぐだけではなく曳き回したり、高く放り上げて受け止めるなど、ダイナミックな動きが観衆を魅了。通り物は大名行列・アニオーサンの行列・媽祖行列など、すべてが第一級の芸術品。世界の文化がこの祭りに集まって爛熟したような、長崎は文化の交差点といえましょう。
【取材・文:苦田秀雄】
長崎くんちは、1634年以来の伝統を誇り、国の重要無形民俗文化財に指定されています。平成27年には、諏訪町の龍踊が出場します。青龍・白龍・子龍・孫龍と多彩でスピード感にあふれ、10人の龍方(じゃかた)と1人の玉遣いが踊りながら一瞬に入れ替わる「棒交代」など見所満載です。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り