日本の祭りレポート
みやはらあさまじんじゃしゅんきれいたいさい
新緑萌える甲斐路。色鮮やかに飾られた山車が目に飛び込んできます。女装の男性、山車に描かれた木花咲耶姫命(このはなさくやひめ)も妙に色っぽい。姫命にはもっと長く里にいて自分たちの暮らしをしっかり見てほしいと、山車が神輿の巡行を邪魔する攻防が祭りのクライマックスです。猿田彦とその妻とされる天鈿女命(あめのうづめ)が神輿を先導し、草むらに設けられたお旅所に向かいます。そこで奉納されるのが稚児の舞。それは「五行の舞」と「合(あい)の舞」で、前者は小学校低学年の稚児5人が舞うもの。その衣装は緋色の袴に赤・白・黄・緑・黒の千早を纏(まと)い、手にしているのは同じ色の御幣。わずか15分程度の舞ですが、これは優雅。
【取材・文:苦田秀雄】
この祭りは、岩間・宮原・葛篭沢(つづらさわ)の3地区が1年ごとに各自の方法で行います。稚児達が神輿を先導し、色鮮やかに装飾された山車が区内を練り歩き、町指定無形民俗文化財である太々神楽(だいだいかぐら)が奉納されます。木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)が宿る神輿に少しでも長くとどまってほしいと、山車が神輿の巡行を邪魔するせめぎ合いが最大のみどころです。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り